「浩」さんのこと


サイト名を書くのに少し照れが入ってしまうけど、「豊乳in My Life」というサイトを長く管理・運営されてきた「浩」さんが亡くなられたと、同サイトのサブマスターの方が報告されていた。余命1年と告げられてから、約2年間、癌と闘われた末のことだった。

優しくて、品のある文章を書かれる方だった。
その系統のファン層だけでなく、そうした嗜好のない読者にも、面白く、十分に読ませる文体は見事だった。この種のサイトとしては稀有なことだと思う。

「浩」さんのブログには、体調のことや治療の経過、仕事の引き継ぎや身辺の整理の様子などが淡々と綴られていた。今春ご母堂が急逝された際も、驚きと悲嘆を記されながらも、その筆致が乱れることはなかった。そしてそうした話題の合い間にも、ご自身の嗜好に関して、一種の愛情に溢れた文章を書き込まれていた。そのどれもを、その精神力に驚嘆しながら読んでいた。
先日再入院されてからは書き込みが途絶えがちだったことから、この日がそう遠くないことは多くの読者が感じていたと思う。そしてその誰もが強く励ましの念を送っていたに違いない。

告知以降のことが綴られた「ファイナル Stage1」、「Stage2」という2つの文章がサイトに掲載されているが、この2編には特に激しく心を揺さぶられた。こんな文章はかつてみたことがない。「浩」さんの勇気に、この状況にあって率直に自己を見つめる強さに、愛しているものを最後まで愛していると言い続けた強さに感動した。書かれている中身の紹介は控える。内容的に全く受け入れられないという人も少なからずいると思うから、推奨もしない。ただ、こんなにも胸の熱くなる文章を遺してくれた「浩」さんに、心の底からの感謝と敬意を捧げるだけだ。


ぜひ生還して、「(アップできるかは)これはもう運次第」とさらりと書かれていた「Stage3」以降も読ませていただきかったです。ご冥福をお祈りします。ありがとうございました。