「タンゴ・冬の終わりに」

WOWOWで「タンゴ・冬の終わりに」(作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄 於:シアターコクーン)を3月下旬にやるらしい。忘れないようにしないと。

何といっても、段田安則。それに秋山菜津子

初めて段田安則を見たのは、夢の遊眠社の「走れメルス」(作・演出:野田秀樹)の「久留米のスルメ」役だった。いつ頃だっけと思い返してみると1986〜87年ごろ、って20年前か。いや古いな。

見果てぬ夢をただ追うばかりのヒロインに、振り回され、放火の罪を犯し、最後には彼女に手をかける男を、哀しく、でもちょっとだけの幸福感を漂わせながら、鮮やかに駆け抜けるように演じていた段田。彼の演技は、奔放な少女を演じた山下容里枝(現・山下容莉枝)のそれとともに、ちょっと忘れられないものになった。

それからも「小指の思い出」「ゼンダ城の虜」「赤鬼」「陽だまりの樹」「贋作・罪と罰」……と、彼の演技に魅せられた舞台をあげるとほんとキリがない。へんな言い方だけど、「外れた」ことがない。もちろん、この「タンゴ・冬の終わりに」も。

そんなわけで、必見です。