甘党弁護士の辛口せんいち話「外資系金融機関の内部管理態勢」

いつも拝読させていただいている、行方洋一弁護士のブログ「甘党弁護士の辛口せんいち話」で、外資系金融における内部管理態勢に係るリスクについてのエントリーが。特に、

グループ各社の内部管理に関する業務を共通の役職員により行なわせている(いわゆるマルチ・ハット)場合も多いのですが、その弊害として、兼職先の金融機関において、内部管理業務の責任の範囲や所在が不明確になり、また、兼職先の内部管理業務の責任者が兼職者にその遂行を任せ切りになって内部管理機能がちゃんと働かないリスク、さらには、兼職者の過重負担により内部管理業務が適切に遂行されないリスク等が考えられます。

外資系金融機関の本邦拠点には、通常、ローカルスタッフに加え、エクスパッツ(海外の本支店、親会社、関係会社などに所属している職員で、転勤などの形態により日本に派遣された者)も勤務しており、派遣期間は比較的短期間であるため、本邦の法令諸規則に精通していない者も見受けられ、法令等の理解が課題となっています。

あたりの記述は、本当にそうだなあと思います。
マルチ・ハット、特に国をまたいでのそれは、財務や会計の世界はちょっと別かもしれませんが、コンプライアンスや人事なんかでは、最低限の条件として、とんでもないスーパーマン(例えばニューヨーク州とロンドンと日本の労働法規に実務に使えるレベルで精通している人事マンとか)を常時確保し続ける仕組みを構築しない限り成立しないわけで、ちょっと乱暴かもしれませんが、ほとんど不可能と言っていいんじゃないかと思ったりします。